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4/3花まつりが開かれました(玉野市)

4月3日、仏教を開いたお釈迦様の誕生を祝う「花まつり」が、玉野市仏教会の主催で玉野市荘内市民センターにて開かれました。
玉野市仏教会では毎年、釈迦の誕生日に近い4月上旬に花まつりを開いていて、今年で22回目です。

この日は玉野市仏教会に所属する市内21のお寺の檀家など60人が集まり、協会会長の挨拶の後、浄土真宗、真言宗、日蓮宗、臨済宗といった4つの宗派の僧侶がお経を唱えて祝いました。

祭りのメインの記念講演には今回、大阪府守口市にある「性善寺(しょうぜんじ)」の住職、柴谷宗叔(しばたにそうしゅく)さんを招きました。

柴谷さんは元新聞記者で、阪神淡路大震災をきっかけに僧侶へ転身。
15年前には性別適合手術を受け、今は女性の僧侶として性的マイノリティなどが集う寺を開いています。
柴谷さんはこれまでの経験を語ったうえで、多様性を認め合うことの大切さを訴えました。

花まつりの最後には、釈迦が生まれた時に甘露の雨が降ったという言い伝えにちなみ、参加者が釈迦の像に甘茶をかけて、誕生日を祝いました。

===災い転じて福となす===
◆大学を卒業後、読売新聞社に就職。初任地が岡山、7年勤務しました。慰安旅行をきっかけに、西国三十三所めぐりを始めました。
◆阪神淡路大震災で神戸自宅を無くし絶望の淵に。1週間自宅には戻れず大阪の会社に寝泊まりしました。自宅の再建には3年を要しました。
◆全壊した自宅のがれきの中から、以前訪れた四国遍路の破れた納経帖をみつけ、「お大師様が身代わりになってくれた」と感じ、「お礼をしなければならない」と思いお礼参りに四国へ遍路巡礼を始めました。(その後何度も巡礼を重ね人々の指導者として、あるいは模範としての公認先達となりました。)
◆お遍路仲間に誘われ、新聞社に在職したまま、高野山大学院の社会人コースの学生になり、夜勤明けの休日を利用して、往復6時間かけ毎週通いました。
◆震災から10年後、50歳を過ぎて「週一では足りない」と勉強に専念するため、新聞社を早期退職しました。
◆四国遍路の巡礼について、現代の実態や番外札所を調べ、修士論文にまとめる、修士課程修了。
◆四国遍路などで霊験を頂いたことから在家出身ながら、ご縁をいただき高野山で得度して僧侶になりました。

===副題の「LGBT」について===
LGBTとは “L”=レズビアン(女性同性愛者)、“G”=ゲイ(男性同性愛者)、“B”=バイセクシュアル(両性愛者)、“T”=トランスジェンダー(生まれた時に割り当てられた性別にとらわれない性別のあり方を持つ人)など、性的少数者の総称です。

◆お遍路さんの衣装には男女の違いはありません。それは遍路巡礼を始めたきっかけの一つでした。
◆岡山大学病院で性別適合手術を受けて戸籍の性別を男性から女性に変更しました。
◆僧籍の性別変更は高野山でも異例のことで、男社会であることから反対もされたましたが、宗務総長の配慮で事務手続きのみでスムーズに変更ができました。
◆僧侶になった頃から自分と同様の悩みを抱える人たちのための寺を作ることを思い描いていたところ、ご縁を頂いて大阪府守口市の大徳山浄峰寺を譲っていただけることになりました。
◆性善寺を通称として用いるのは、これまでその名での建立を目指してきたからです。正式の宗教法人名と通称の異なる寺は三井寺(園城寺)、東寺(教王護国寺)などたくさんあります。
◆「性善寺」という寺号の由来は、仏教における悉有仏性(しつうぶっしょう)という性善説(だれでも仏さまになれる素質を持っているという教え)にあって、性的指向や性自認などのために苦しんでおられる方々を、それは問題ない、善であると教え導くことに目的があります。字の意味からはそうですが、寺号の読みは「しょうぜんじ」です。
◆性的マイノリティの自助グループは各地にありますが、気安く中に入るというのはなかなか難しいものです。気軽に、ふらりと立ち寄って相談できる。そんな寺を目指したいと思います。誰にも相談できない悩みを打ち明けられる場所にしたいです。また、同じ悩みを持つ方々が集える場所にしたいと思っています。 
◆戒名の末尾につく「位号」は性別を表すのですけど、性善寺では望まれる戒名をおつけさせていただいています。もしあなたがお寺さんでは無理なら、どうぞ性善寺にいらしてください。望まれる戒名をおつけさせていただいきます。

◆震災という大きな災いがきっかけで、遍路巡礼を重ねるうちに、様々な人と出会い、色んな経験ができ、ふと気づくと今では思い続けていたこと、やりたいことがみんな叶っている。災い転じて福となっています。

 柴谷宗叔(しばたに・そうしゅく)さんのプロフィール

性善寺(大徳山浄峰寺)代表役員住職。高野山真言宗神風山大鳥寺住職。

1954年大阪市生。
早稲田大卒。元読売新聞記者。
高野山大学大学院博士課程修了。博士(密教学)。

・高野山大学非常勤講師
・高野山真言宗権少僧正。
・高野山本山布教師。
高野山金剛峯寺境内案内人
・園田学園女子大学「四国遍路と巡礼」をテーマに公開講座講師

・巡礼遍路研究会会長
四国八十八ヶ所霊場会公認大先達。
西国三十三所札所会公認特任大先達。
四国ヘンロ小屋プロジェクトを支援する会副会長。

・レインボーフェスタイン和歌山2018実行委員。

著書
『公認先達が綴った遍路と巡礼の実践学』(高野山出版社、2007)
『江戸初期の四国遍路 澄禅『四国辺路日記』の道再現』(法蔵館、2014)
『四国遍路こころの旅路』(慶友社、2017)
『空海名言法話全集 空海散歩』(筑摩書房、2017、共著)第1巻~ など。

2010年、岡山大学病院で性再適合手術、戸籍・僧籍の性別も変更。

性善寺ホームページより

朝日新聞2017年4月24日朝刊

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